あらけずりの鰹節
鰹節を削り終え、削り機から鉋台と鉋刃を取り出し、乾拭きの作業に取り掛かっていた。
「ソーランソーラン!どっこいしょー」
外からソーラン節の音頭が聞こえてくる。
そうか。今日は村で唯一の祭りの日だったな。
しょうごは作業をやめ、早歩きで外へ出た。
外には漁から帰ってきたばかりの男達がおり、とれたてのニシンを囲んで踊っていた。
しばらく楽しんでいると、頬に何かがくっつく感触がした。
なんだ。鰹節か。
その鰹節は酷く荒削りで、しょっぱかった。