オズワルド君の日記

旅日記、短編ゴミ小説??をメインに毎日投稿

2019-01-01から1年間の記事一覧

ジーンズの穴は友情の証

「うっす。」 彼とすれ違うと必ずこの挨拶が返ってくる。 この男にとっての"うっす"は魔法のような言葉だ。 朝、昼、晩お構いなくどんな時刻でもこの挨拶をしてくる。 普通に挨拶しろよ。そう思うことは多々あるが、彼にはこの挨拶が心地いいらしい。 「あー…

そよ風が春キャベツを撫でたあの時

天井にはいくつもの穴が空いている。 それを修復しようとしたのだろうか、ひどくツギハギが目立つ。 ポタッ。。。ポタッ。。。ポタッ 穴からは水滴が一定の間隔を保ちながら滴り落ちている。 床を打ち付ける水滴の音が目覚まし代わりとなり男は目を覚ました…

パセリは君の希望とともに歌う

テーブルの上には夕食が用意されている。 1人で食べるには大きすぎるテーブルである。 今日の夕飯はステーキか。 スーパーの特売で買ったのであろう、脂の多いステーキと付け合せにはポテトサラダが用意されている。 ポテトサラダにはさっぱりと食べれるよう…

あらけずりの鰹節

鰹節を削り終え、削り機から鉋台と鉋刃を取り出し、乾拭きの作業に取り掛かっていた。 「ソーランソーラン!どっこいしょー」 外からソーラン節の音頭が聞こえてくる。 そうか。今日は村で唯一の祭りの日だったな。 しょうごは作業をやめ、早歩きで外へ出た…

あの夏、君がくれたオリーブはマルゲリータとともに

脳裏に過ぎるは、壮大な宇宙。 その奥に見えるは1筋の光。 そうか、オリーブだったのか、、、 「やっと思い出したんだね?」 溢れ出す涙は、懐かしの味がした。 トマトベースのソースに蕩けたチーズ、それを彩るはバジルの葉。 一つかけてたピース。 オリー…