オズワルド君の日記

旅日記、短編ゴミ小説??をメインに毎日投稿

ジーンズの穴は友情の証

「うっす。」

彼とすれ違うと必ずこの挨拶が返ってくる。

 

この男にとっての"うっす"は魔法のような言葉だ。

 

朝、昼、晩お構いなくどんな時刻でもこの挨拶をしてくる。

普通に挨拶しろよ。そう思うことは多々あるが、彼にはこの挨拶が心地いいらしい。

 

「あー、おはよう。」

僕は手を挙げながらそう返す。

 

「おっすおっす。久しぶりっすね。」

 

彼はそう話しかけてくるが、土日の休みの間会ってないだけで別に久しぶりではない。

彼はどこか抜けているのだと思う。

 

後輩口調とも言えない独特な喋り方をするこの彼の名は大家言吉という。

 

自分より少しでかいことを考えると身長は175cmくらいだろう。

筋トレでもしているのだろうか、ガタイもよく筋肉質な体型をしている。

チャームポイントはクリンとした二重の目。

彼自身がそう言っていたから間違いないだろう。

 

僕は彼のことをゴンと呼ぶことにしている。

 

ゴンは古臭い自分の名前が嫌いなようで、自己紹介の時にはゴンと呼んでくれという風に言われた。

 

「ゴン、またそのジーパン履いてきてるのかよ。」

「違うんすよ。似たようなジーパンをいっぱいもってるんすよ。」

 

ゴンのトレンドマークと呼べるのは彼がいつも履いているジーパンだろう。

 

本人曰く複数のジーパンを日によって使い分けているらしいが、素人目にはその違いが分からない。

 

ゴンと会話をしながら教室の方へ歩いていく。

 

「ゴン、おはよっ!」「ちぃーすっ」

 

相変わらずゴンは人気者ですれ違うクラスメイト達と次々と挨拶を交わしていく。

 

ゴンの不思議な性格はクラスの大半を虜にしそのファンは多い。

僕もまたそのうちの一人である。

 

僕は教室に入るとゴンと別れ自分の席につく。

 

学校の前で駄弁っていたせいか時間はホームルーム3分前までに迫っていた。

 

チャイムがなりホームルームの時間が始まる。

それとともに教室には先生が入ってきた。

 

「こら、大家。早く席につけー。」

どうやらゴンは時間ギリギリまで友人の席で喋っていたらしい。

 

「あー、すみませんすみません。いま、席に着くっす。」

 

こいつのことを知らない先生なら煽ってるのかと怒鳴り散らすに違いないが、先生もゴンのことをよく知っており、 まったくぅ と呆れているだけだ。

 

クラスは朝から笑いに包まれる。

 

午後からの授業は体育だった。

本来は国語の時間だったが、急遽変更があり体育になった。

 

昨晩、連絡用アプリでゴンからクラスのメンバーへ

'明日の午後は体育!体操服を忘れないように'

と連絡があったため、みんな体操服を持ってきているようだ。

 

当の本人はといえば・・・

 

「しくったっすっーー!。体操服入れたカバン家に忘れてきたっすっーー!。」

 

まったく、笑いの神様は本当にこの男のことが好きみたいだ。

 

結局ゴンは薄いtシャツにジーパンといった格好で運動場へ来ていた。

 

幸い今日は砲丸投げをするらしく、動きにくい格好でも別に問題はないだろう。

 

「自慢の筋力を見せつけてやるっす。」

 

袖をまくり、力こぶを作っている。

それにしても気持ちの切り替えが早いやつだ。

 

僕のクラスは男子18人女子18人の計36人のクラスだ。

体育は男女別に行なっていて、女子は体育館でマット運動をしてるらしい。

 

砲丸投げは前半組と後半組の二組に分かれて行う。

僕とゴンは前半組だ。

 

投げる順番は出席番号順らしい。

ということはゴンがトップバッターということだ。

 

トップバッターということもあり気合い満々のゴンは腕を回しストレッチをしている。

 

5分ほど設けられた準備運動の時間がおわりいよいよ、計測にとりかかる。

 

「宣言するっす!俺が一番飛ばすってことを!」

球を持ったゴンはその球を空の方は掲げながら調子よくそんなことを言っている。

 

「一番じゃなかったら罰ゲームなぁ。」

 

「お前では無理やって。」

 

それに対してクラスの面々は好き勝手に野次を飛ばしている。

 

結果ゴンの記録は12.37mだった。

前半組である僕達は誰一人とその記録を越すことはできなかった。

 

僕も密かにゴンの記録を抜こうと闘志を燃やしていたが、記録は8.10mとあっけなく終わった。

 

「ナイススローっす。」

 

そう言いながらゴンは拳を突き出してきたもんだから、とりあえず適当に拳を合わせておいた。

彼らしいノリだ。

 

一人二回ずつ投げ終わると、後半組と交代する。

前半組の僕達は飛んできた球をリリースする仕事に回る。

 

後半組の投球が始まる。

 

今日はあのステージを攻略しないとな。

僕はボーッとしながらゲームのことを考えていた。

 

"あぶない"   "よけて"  "あたるぞ"

 

なにか周りがやたらと騒がしい。

ふと顔を上げてみると、鉄の塊が頭の上にまできていた。

 

うわっ!そんな声も出せない。息ができない。

全ての時間が止まっているような感覚に襲われる。

 

「うっすぅ!!!」

 

止まった世界の中、この声だけは鮮明に聞こえてきた。

ゴンの声だろう。この声を判別するのにはコンマ一秒もかからなかった。

 

 

ゴンは僕の足へ飛びつくと勢いよく僕ごと押し飛ばす。

 

ドン。

 

気づけば鉄球は僕のすぐ横に落ちていた。

地面にはクッキリとした丸い後が残っている。

これが直撃していれば…そう考えると背筋が凍りつくような感覚に襲われた。

 

ゴンは!?

 

思い周りを見渡すと砂埃を払いながら立ち上がっているゴンが見えた。

地面と衝突した衝撃のせいか唇からは血がダラダラと出ている。

 

慌てて、ゴンの方へ駆け寄りお礼の言葉とともに心配の言葉もかける。

 

「おかげで、助かった本当にありがと!口大丈夫か?」

 

「いえいえっす。友達なら当然のことっす」

「余裕っす。余裕っすよ。」

 

照れ臭そうに笑いながらそう返してくれる。

 

ゴンのお気に入りのジーパンには穴が開いていた。

左膝にポッカリと空いた穴。

 

僕にはそんなひどく不恰好な穴がどこかかっこよく見えた。

 

 

 

 

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唐突に始まって唐突に終わる物語。

 

意味がわかりませんね(*ˊᵕˋ*)

 

ゴンキチのモデルはリアルの友人です笑

そよ風が春キャベツを撫でたあの時

天井にはいくつもの穴が空いている。

 

それを修復しようとしたのだろうか、ひどくツギハギが目立つ。

 

ポタッ。。。ポタッ。。。ポタッ

 

穴からは水滴が一定の間隔を保ちながら滴り落ちている。

 

床を打ち付ける水滴の音が目覚まし代わりとなり男は目を覚ました。

 

あぁ、床が水浸しだ。

そう思いながら布団から出ると物置部屋に向かう。

 

中に入り、素早くボロボロの雑巾と蜘蛛の巣が張ってあるバケツを手に取ると、駆け足で寝室へと戻る。

 

寝室へ戻ると男は床にできた水溜まりに雑巾を浸し、その雑巾をバケツの上で絞った。

 

天気予報は曇りだったのに。

 

そんなことも考えることもなく無心で単純な作業を続けていく。

 

床の水を拭き終わり、穴の下にバケツ設置し終えると男はため息を吐きながら調理場へと向かった。

 

「何かあったっけな?」

 

あくび混じりの声でそういいながら冷蔵庫を漁る。

 

「キャベツが残っていたな」

 

昨晩切り分けておいた春キャベツを手に取ると慣れた手つきで調理を開始する。

 

春キャベツををフライパンに投入すると中火で炒めていく。

 

キャベツが飴色になってきたところで火を止め鶏ガラスープの素とマヨネーズを入れて余熱であえていく。

 

貧乏飯の出来上がりだ。

 

肉なんてなくても鶏肉の風味がしてとてもうまい。

キャベツも冬のものに比べて甘みが強くシャキシャキしていておいしい。

 

「ご馳走様でした。」

 

そう言うと食器を下げ、台所で丁寧に洗う。

 

「さて、今日も頑張ろう」

 

手を伸ばしのびをしながら外へと向かう。

 

時刻はまだ7時だ。農家の朝は早い。

 

男は農園を営んでいる。

 

春キャベツもその農園で育てている野菜の一つである。

 

サァー。外に出ると春の訪れを感じられら暖かい風が吹いた。

 

自慢のサラサラの前髪が少しなびく程度の小さなそよ風だ。

 

そんなそよ風が通り過ぎた途端目の前には目を疑う光景が広がっていた。

 

「キャ、キャベツが宙に浮いている!」

 

人生の中で一番とも言えるかもしれないほどの声を出し男は尻もちをついた。

 

 

何百というキャベツが宙に浮いている。

そんな有り得ない光景を座り込んだまま見ているとキャベツは突如眩い光を放ちだした。

 

すると、ありがとう。

そんな言葉が男の頭の中に聞こえてきた。

それと同時にキャベツは次々と姿を消していってしまった。

 

春の訪れを感じると共に自我を持ち始めた春キャベツ達。

彼らは"春"を求めて旅立っていったのかもしれない。

 

「ツナツヒコ様...か...。」

 

男はそう呟きながら立ち上がり、再び農作業へと戻るのであった。

 

 

 

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キャベツをテーマにした物語。特に深い意味はありません。

 

なんだこいつは?

 

僕はそう思われるような文章が描きたいんだ!!

パセリは君の希望とともに歌う

テーブルの上には夕食が用意されている。

 

1人で食べるには大きすぎるテーブルである。

 

今日の夕飯はステーキか。

 

スーパーの特売で買ったのであろう、脂の多いステーキと付け合せにはポテトサラダが用意されている。

 

ポテトサラダにはさっぱりと食べれるようにと刻んだパセリが混ぜこまれている。

 

パセリ苦手なんだよなぁ。

 

両親はパセリ農園を営んでいる。

 

それもあって毎日のようにパセリが料理に組み合わされて出てくる。

 

パセリだけを箸でとりわけ、ティッシュでくるんでこそりとゴミ箱へと捨てた。

 

 

 

 

「今日も美味かった。」

 

誰に言う訳でもなくてそう口に出しながら手を合わせた。

 

 

歯磨きを終え、寝室へ向かう途中どこからか歌声のようなものが聞こえてきた。

 

「らーらららーらららららららららら🎶」

 

リビングの方か?

 

慌ててリビングの方へ向かうとそこには夢中で歌っているパセリがいた。

 

 

「君は誰だい?」

 

恐る恐るパセリに質問する。

 

「君の心が産んだパセリの妖精だよ」

 

パセリは僕の希望だったんだ。

 

 

そう気づくとともにパセリとともに綺麗な音色を奏でだしたのであった。

 

 

あらけずりの鰹節

鰹節を削り終え、削り機から鉋台と鉋刃を取り出し、乾拭きの作業に取り掛かっていた。

 

「ソーランソーラン!どっこいしょー」

 

外からソーラン節の音頭が聞こえてくる。

 

そうか。今日は村で唯一の祭りの日だったな。

 

しょうごは作業をやめ、早歩きで外へ出た。

 

外には漁から帰ってきたばかりの男達がおり、とれたてのニシンを囲んで踊っていた。

 

 

しばらく楽しんでいると、頬に何かがくっつく感触がした。

 

なんだ。鰹節か。

 

その鰹節は酷く荒削りで、しょっぱかった。

あの夏、君がくれたオリーブはマルゲリータとともに

脳裏に過ぎるは、壮大な宇宙。

 

その奥に見えるは1筋の光。

 

そうか、オリーブだったのか、、、

 

「やっと思い出したんだね?」

 

 

溢れ出す涙は、懐かしの味がした。

 

 

トマトベースのソースに蕩けたチーズ、それを彩るはバジルの葉。

 

一つかけてたピース。

 

 

オリーブの実をそっと添えた。

 

 

「始まりは、いつでもあの場所だった。」

 

黄昏時、真っ赤に照らされたピザ生地はその先ゆく道を示しているのであった。